支配人との恋(仮)
「玲香さん。」
そこには浴衣を着た、俺のお客様がいた。
「幸も花火大会来てたのー?やだー、誘えばよかったー。」
「いや、今日はプライベートなので…」
俺の言葉に、花音ちゃんを見る彼女。
上から下までじっくり見たあと、口を開く。
「こんばんは。幸の彼女さん?」
「いえ、ただの友達です。」
花音ちゃんのその言葉にカチンと来た。
花音ちゃんにじゃなく、いつまでたってもハッキリ想いを伝えられない自分に。
「玲香さん、すみません。
失礼します。」
花音ちゃんの腕を取り、俺は人混みの中を歩く。