君との距離5cm

さっきまでの不安も一瞬で無くなってしまう私はやっぱりバカなのかもしれない。



「俺が好きだったから俺から告白した。
だから変な噂たてるのやめてくれる?」

「……」

「俺の大切な子、いじめたりしたら分かってるよね?」

「ーーっ!!べ、別にあたし達いじめてなんか……」




私の事を彼女って言うのも、
あおから告白したって言うのも、

全部全部、私を守る為の嘘。



私の事なんてほっとけば良かったのに

皆みたいに笑えば良かったのに



そうすれば良かったのに……
あおは私の中にスーっと入ってきて……




「あおっ!!」


ここが教室とか、皆が見てるとか、
そんなの関係なくて


素直に嬉しくて


教室のど真ん中で私はあおに抱きついた。



まだあおの事は全然知らない。

学校の王子様で、とっても素敵な人。
それくらいしかわからない。
< 38 / 75 >

この作品をシェア

pagetop