君との距離5cm

いつもは少し触れる程度の距離を保つ私達。

ソフレな私達がそれ以上近づく事はない。


だけど今日は。



「…っ!!」


こちらを向いてるあおに抱きつくように腕を絡める。
あおを抱き枕の様にしている状態だ。


「…今日はくっつきたい」

「……ひ、ひよは大丈夫なの?」

「……私、今あおと………」





今あおと、キスしたい。





「…ひよ?」




私……今、何言おうとした?

…キス。



「ひよ、どうした?」

「……あ…ぇっと……なんでもない、
おやすみなさい」



ドクンっ



ドクンっ





一過性。一過性。

頭がおかしくなっただけ。

いや、きっと体調悪いのかも!
うん…きっとそう。


キスしたいなんて、

そんなの私が思うわけがない。

ましてや相手があおだなんて。




ドクンっ




ドクンっ





いつもは5cm。


今日は0cm。


たった5cm。でもそのたった5cmが今日は眠れなくなるほどドキドキして、

頭の中はあおでいっぱいだった。

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