君との距離5cm




ショッピングモールで伊織とおそろいの服を買った。

その後はオシャレなカフェでお茶をして、


「…伊織」


伊織はじっと私を見て、小さくニコッ微笑んでくれた。

もちろん長谷川くんと結城くんはポカンとしてる。


「皆に聞いてほしい事があるの」

「「………」」

「同じクラスなんだし知ってるでしょ?
私の噂だったり、私がいじめられてた事」


「……ずっと、触れないでいてくれてありがとう。ずっと、言えないままでごめんね」



小さく深呼吸をする。

大丈夫、大丈夫と何度も心の中で唱える。


そしてゆっくり口を開く。


全ての始まりとなった、あの日の事を…



「…私……、」






















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「「………」」


全てを話し終えた後、少しの間沈黙が続いた。


その沈黙を破ったのは意外にも結城くんだった。


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