君との距離5cm
「…過去の事はなんて声かけたらいいのか分かんねーけど、
今の神咲との関係は別にいんじゃねーの?」
「…私も結城と同じだよ。
碧人も理解した上での関係で、ひよがそれで笑えるなら私はいいと思うよ」
結城くん……伊織……、
「ただ私はムカついてるの!」
「伊織?」
「だって!ひよのお母さんも友達も皆、ちゃんとひよの話も聞かないで全部ひよが悪者にされて!!
学校でも、デタラメな噂ばっか流して、
私も……いじめられてるひよを知らんぷりしてた……
自分にも周りにもムカつく……」
涙を流して俯きながら言う伊織。
それだけで心が暖かくなっていく。
「でもひよ…私は反対はしないけど今の関係はいつかは終わりがくるって事だよ…?
ひよは、それでいいって事なんだよね?」
「…うん。ずっとあおの事を縛るつもりはないよ……。
それでいいの。それを私も……あおも、望んでることだよ」