君との距離5cm


行きたいなって素直に思った。

でも私とあおとの事ではいけない。

縁が切れなくなるパワースポットなら余計だ。


逆だから。私とあおは縁が切れないといけないんだから







すこしして目的地につき、
現地の人に山登りの基礎を教えてもらっていざ山登りへ。

ここでは班での行動になる。



「あー!なんで私の学校は山登りなんだろー」

伊織が長谷川くんと手を繋ぎながら先を歩く。山登りは嫌そうだけど長谷川くんと手を繋げて嬉しそうな伊織に私も嬉しくなる。


少し前なら想像もつかなかった光景

それが当たり前になっててたまに怖くなる。この楽しい時が無くなってしまいそうで





「伊織と長谷川くん仲良しだね」

隣で歩く海里に声をかけた。

「仲良しすぎてたまにこっちがきまずくなる」

「あ、わかるかも。私達の前でもイチャイチャするもんね」


海里とそんな話をして、なんとなく感じた視線。

ふいっと後ろを見るとあお達のクラスの人達が近くに来てて、
そこには同じ班の子達と楽しそうに笑うあおの姿があった。


感じた視線は私の気のせいみたいで、
誰とも……あおとも、目は合わなかった。
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