始まりのラピスラズリ


「…さ、……ひさっ、おい、悠久!」


「えっ……?」


勇人が俺を呼ぶ声で、俺は現在に引き戻される。


そんな俺に、勇人は盛大なため息をついた。


「なんだよー、夏の暑さにでもやられたかぁ?」


「別に、そういうわけじゃない」


「ふーん?…、じゃあ、愛生ちゃんのこと考えてたんだ?」


「……っ」


急に言われたその言葉に肩を揺らすと、ニヤリと笑ってくる勇人。

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