始まりのラピスラズリ
「図星かよー!
ったく、のろけてんじゃねーよー」
「別に…、のろけてない」
「俺だって愛生ちゃんとイチャイチャしてぇよー」
そう言う勇人に、俺は眉を寄せた。
「…前から思ってたんだけど、お前らなんで名前で呼び合ってんの?」
すると、また面白そうな顔をする勇人。
「なに?もしかして妬いてんの?」
「ちがっ…」
「そっかそっか、妬いてんのかー」
「……」
「悠久、可愛いとこあったん…──イテッ!」
ムカつく顔をする勇人の足を、俺は思いきり踏んだのだった───。