始まりのラピスラズリ
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「暑すぎる……」
夏休みもあと半分まで近づいていた今日この頃、
俺は勇人の家に続くコンクリートの道を歩いていた。
『悠久、暇なら勇人くん家にこれ、持って行ってくれない?』
そう言ってばあちゃんから渡されたのは、前に貰ったと言っていた大きなスイカ。
「ったく、人使いの荒い……」
俺の両親は俺が小さい頃に交通事故で亡くなっていて、俺はそれから母方のばあちゃんの家に引き取られた。
ばあちゃんは今年で65になるというのに、
腰も曲がっていない、元気なばあちゃんだ。
「やっと着いた……」