始まりのラピスラズリ
「にしても、悠久がまたバスケ部に入ってくれて、嬉しいよ」
いつの間にかスイカを食べ終えた勇人が、静かにそう言う。
「…色々、心配かけたな」
俺がそう言えば、勇人は笑顔で俺の背中を叩いた。
「気にしてねぇって!
でも、この間の大会は惜しかったな」
この間の大会というのは、夏休み中にあった夏季大会のこと。
俺の学校は、あと1歩の所で惜しくも優勝を逃してしまった。
「そうだな。…でも、俺は大会出なかったし。チームに何も貢献出来てないけどな」
数年ぶりに入ったバスケ部の練習は、ずっとバスケをやっていなかった俺にはかなりキツくて、スタメンどころか練習に付いて行くのもやっとだった。