始まりのラピスラズリ
「そんなことねぇって!
篠原だって、悠久がバスケ部に入ってくれて嬉しいって言ってたよ」
篠原というのは、3年が引退して新しくキャプテンになったバスケ部の同級生。
「そっか…」
同じ部活の部員がそう言ってくれていることに、俺は照れくさく思いながらも嬉しい気持ちが湧き上がる。
「スタメンに入れるように、もっともっと練習して強くなんなきゃな…」
俺がそう言えば、勇人は静かに笑って言った。
「悠久をまたそんな風に変えてくれたのは、愛生ちゃんなんだよな…」