始まりのラピスラズリ


゙ドキンッ゙


その名前に、胸が高鳴る。


「勇人がシュートを決めたあの球技大会の前日にさ、俺、愛生ちゃんに頼まれたんだよ。
『ハル先輩の名前をバスケの選手欄に載せてくれませんか』って」


「え……」


椎名が……?


「俺は悠久がバスケをやらない理由を知ってたから、了解した後に思わず言ったんだ。
『でも、あいつはもうバスケはやらないんじゃないか』って。
そしたら愛生ちゃんさ……言ったんだ、」


「………」


「…『私が、ハル先輩を必ずまたバスケのコートに連れ戻してみせます』って」


「……っ!」


その言葉に、俺は目頭が熱くなる。

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