始まりのラピスラズリ


「真剣な顔でそんなこと言うからさ。
俺も、もしかしたら愛生ちゃんなら出来るんじゃないか、って思った。
そしたら本当に、お前をコートに連れ戻してくれた。
愛生ちゃんどんだけ凄いんだよって心ん中で笑っちまったよ」


「……っ、」


もう、我慢が出来なくて。


俺は1粒、雫を零した。


そんな俺を見て、勇人はまた静かに笑う。

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