始まりのラピスラズリ


「愛生ちゃんが現れてから、悠久は変わったよ。
自分でも気づいてなかったかもしれないけど、愛生ちゃんと話してるお前は、中学の時みたいな楽しそうな顔をしてた。
お前にとって、愛生ちゃんはもう大事な存在になってるんだな」


「大事な、存在……?」


俺は零れた涙をぬぐいながら、聞き返す。


「…好きなんだろ、愛生ちゃんのこと」


……好き?
俺が、椎名のことを…?

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