始まりのラピスラズリ
【好き】────。
その言葉は、俺の心の中にストンと落ちた。
今までの全てをその言葉と繋げれば、
俺はあぁ、そうなんだ、と微笑む。
俺は、椎名が好きなんだ……。
球技大会のあの日、いや、もっと前。
出会った時から、俺は椎名に恋をしてたのかもしれない……。
ただ、自分で自覚していなかっただけで。
椎名は、いつだって俺に近づいて来た。
俺が無視をしても、他の女子みたいに飽きることなく、俺の傍についてきた。
そんな椎名に、俺はいつの間にか、心を奪われていたんだ。
自分の恋心に気づけば、俺はなんだかおかしくなって、笑ってしまった───。