始まりのラピスラズリ
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椎名に対する自分の気持ちを自覚したあの日から早数週間。
「会いたい……、っ!?」
俺は気づけば、そんなことを口にしていた。
バカか、俺はっ……。
街中のカフェでアイスティーを飲みながら勉強をしていても、頭に浮かんでくるのはあいつの笑顔ばかりで。
集中出来てない証拠だ……、今日はもうやめよう。
俺は飲みかけのアイスティーとショルダーバッグを持って、カフェを出た。