始まりのラピスラズリ
俺は賑わう街道を歩きながら、頭を落ち着ける。
夏休みも、あともう少し。
なのに、その少しの時間さえも、長く感じてしまう。
椎名に会えない時間が、何故だかとても長く感じてしまう。
椎名に会いたい。
椎名の笑顔が見たい。
そんなことを考えてしまう自分に、俺はどれだけあいつが好きなんだ、と自分で呆れてしまう。
その時、視界にあるものが目に入って、
俺は通り過ぎたそこに数歩下がった。