始まりのラピスラズリ

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俺は入学してくる新入生に、胸に付ける花を配っていた。


視界に入ってくるのは、これから始まる新しい生活に楽しそうな、だけど少し不安そうな顔をする新入生達。


俺も入学する時はあんなだったのかもな、なんて。


心の中で苦笑しながら、最後の花を配り終えて教室に戻ろうと進んだ時、


「ハル、くん……?」


春の風に消え入りそうな小さな声が聞こえた気がして、俺はゆっくり振り向いた。

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