始まりのラピスラズリ


「…舞子の浴衣姿、見せたかったね」


そう言って横を向く舞子。


「……うん」


舞子の視線の先を見て、私も静かに頷く。


少しブルーになっていた私を見ると、舞子は私の頬を両手で引っ張った。


「…ちょ、いひゃいよっ…、みゃいこ」


私がそう言えば、舞子は笑顔で答える。


「今日は折角悠久先輩とデート出来るんだから、そんな顔しないで思いっきり楽しんで来なさい!」


ハル先輩と、デート……。


「……っ」


その言葉に、私の頬は一気に熱を持った。

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