始まりのラピスラズリ


『…夏祭り、一緒に行かないか?』


『え……、』


突然言われた予想外の言葉に、私は思わず固まってしまった。


『…俺と2人じゃ、嫌なのかよ?』


『え…、あっ、そんなことないです!
ハル先輩と2人で、行きたいですっ!!』


少し拗ねた口調で言う先輩に、私は慌ててそう返す。


『ん、じゃあ、約束な?』


そう言って穏やかに笑った先輩に、私はその時、少し泣きそうになってしまった。

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