始まりのラピスラズリ


────────


「……ん」


「あ、リンゴ飴!…貰っていいんですか?」


透明のシートで包まれたリンゴ飴を差し出す先輩にそう聞けば、先輩は何も言わずに頷く。


「わぁ、ありがとうございます!
私、リンゴ飴が1番好きなんです!」


フルーツ飴の中で、私が1番好きなのはリンゴ飴。


先輩はそれを知っていたわけではないだろうけど、偶然でも先輩が私の1番好きなものをくれたことに、私は笑顔が零れた。

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