始まりのラピスラズリ


「…本当に、大丈夫ですよ!」


私は笑顔を向けて言う。


「そう…」


それでも腑に落ちない様子の先輩に、私は話題を変えた。


「あ、そういえばハル先輩はここにいて平気なんですか?
授業出ないと…」


「ん…、あぁ、そうだな。
そろそろ行く」


そう言って椅子を立つ先輩に、私はもう一度
笑顔を向ける。


「ハル先輩、本当にありがとうございました!」


「…安静にしてろよ」


先輩は少し微笑んでから、出て行った───。

< 167 / 427 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop