始まりのラピスラズリ
考えるだけで、俺の胸はズキンと痛む。
もう自分はバスケが出来ないのに俺を励ましてコートに戻してくれた。
そんな椎名に、俺は何か返せているんだろうか…。
「おい、橘、大丈夫か?」
急に黙った俺を見て、篠原が心配そうに声をかけてくる。
「あ、あぁ、平気。
椎名のこと、教えてくれてありがとう」
「おう。あ、もう時間だな。
休憩終わり!練習再開するぞー」
「あ、雑誌…」
離れて行く篠原にそう言えば、篠原は振り返って笑顔を見せる。