始まりのラピスラズリ
それを聞けば、椎名ばそうだったんですが
と頷いた。
そして、ページをめくっていく椎名に、俺は思っていたことを言う。
「…お前、兄貴がいたんだな」
椎名はあの特集のページで手を止めると、懐かしそうに写真に手を触れた。
「正義感が強くて、優しい、兄でした……」
その言葉に、俺は違和感を覚える。
「……でした?」
俺がそう言えば、椎名は静かに微笑んだ。
「亡くなったんです…、2年前に」
「……!?」