始まりのラピスラズリ
「…マコはいつも、いい兄貴だったよな」
「……っ」
俺が静かに口を開けば、椎名は肩を震わせた。
「夏休みに公園で遊んでた時も、いつもアオのことを気にかけてた」
「心配性なんですよ……」
そう言って微笑む椎名。
「大きくなったらまた3人でバスケをしようって約束してたのに、俺はすっかり忘れてたな」
「そうですよ…。私、中3の時にこっちに戻って来て先輩がバスケをやってないって聞いて、心配で同じ高校にまで追っかけて来ちゃいました」
「ふ…、お前も心配性だよな」
「マコくんほどじゃ、ないですよ…」