始まりのラピスラズリ
勇人はサッカー部のエースで、去年も1年ながらにして上級生のクラスに勝っていて、優勝までは行かなかったけど、かなりの成績を残していた。
サッカーが大好きな勇人には、試合に参加することが出来ないのはかなりのショックだろう。
「はぁー…。
サッカーが出来ないとか、他に何をやれってんだよー」
「他の種目って何があんだっけ」
去年のことを思い出しながら言う俺に、勇人が答える。
「確か…、テニスと、卓球と…。
あとは…バレーと…バスケ」
゙ドクン゙と自分の心臓が大きく鳴ったのを感じながら、俺は返す。
「俺去年、卓球に名前だけ書いて試合1個も出なかったな。
…今年も、それでいいか」
そんな俺の様子を見た勇人は一言、言った。
「悠久、バスケには出ねぇの?」