始まりのラピスラズリ


「ごめんな。お前はいつも、俺のことを覚えてくれてたのに、忘れてて」


「いいですよ…、こうやって思い出してくれたんですから。
マコくんもきっと、喜んでます」


仏壇を見れば、笑顔のマコが目に入る。


「……マコは、大事な妹を恨むような、そんなやつじゃないよ」


「………っ」


「俺の知ってるマコは、妹思いでバスケが大好きないいやつだ。
…もしマコが恨んでるものがあるとしたら、
それは椎名から大好きなバスケをやることを
奪った喘息だろうな」


「……っ!」


俺の言葉に、椎名の目から涙が溢れ出る。

< 210 / 427 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop