始まりのラピスラズリ


「本当は、分かってるんですっ…!
マコくんが死んでしまったのは誰のせいでもないって…。
でも、どうしてもっ、考えてしまうんです!
あの時、私が風邪を引いていなければ…、
あの時、私がもっと早く自分の異変に気づいていれば…、こんなことにはならなかったんじゃないか、って……。
マコくんが死ぬことも、両親が離婚することも、なかったんじゃないか、って……」


「うん…」


「ずっと、ずっと、辛かった!
夏休みになれば、兄の死を思い出して苦しくなった…!
それでも、笑っていないと、私が壊れてしまいそうでっ……!
周りに迷惑をかけたくなくて、いつも1人で苦しんでたっ……!」


「…うん」

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