始まりのラピスラズリ
「…もしかして、あれがハルくん?」
雅美の言葉に舞子はあぁ、と頷いた。
「雅美ちゃんは愛生と小学校から一緒だったんだもんね。じゃあ愛生から聞いたんだ?
そう、あの人がハルくん。
私もついこの間愛生から聞いてビックリしたわよ、悠久先輩と小さい頃に会ってたなんて」
ブツブツと呟いている舞子に構わず、雅美は食堂の入口の方をじっと見つめる。
「あれが、ハルくん……。
アオちゃんがずっと会いたがってた…」
雅美は憤りを含んだような苦い顔で唇を噛み締めた───。