始まりのラピスラズリ
雅美は男子にランドセルの中身をぶつけられていた。
ファイルや教科書、筆箱など、雅美に当たっては彼女の周りに散乱していた。
雅美の足や腕には、痛々しいあざが出来ていた。
痛いはずなのに、嫌なはずなのに、
それでも雅美は笑っていた。
でもその笑顔は心からの笑顔ではないに決まっている。
私は男子と雅美の間に割って入った。
数人の男子の中心的存在の子は、雅美のことが好きだったらしく、幼少期にはよくある好きな子だからいじめたい、というやつだったらしい。