始まりのラピスラズリ


それでも、あざが出来るまで、無理な笑顔を作らせるまで、好きな子をいじめたいなんて
最低なやつがやることだ。


私が一喝すれば、男子も間違いに気づいたようで、慌てて逃げて行った。


そして、雅美の方を振り向けば、彼女はあの笑顔のまま私の方を見上げていた。


もう大丈夫だから、そんな笑顔はしないで。
無理に笑顔なんて作らなくていい。
泣いていいんだよ。


そう言って抱きしめれば、雅美は堰を切ったように泣いた。

< 232 / 427 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop