始まりのラピスラズリ
あ……。
自分の気持ちに気づいて、私は慌てて首を振る。
だめ…、私はもうハル先輩を諦めるって決めたんだから……。
寂しさなんか、感じちゃいけない。
雅美ちゃんは、ハル先輩のことが好き。
それなら私は、ハル先輩と距離を置かないといけない……。
モヤモヤと湧き上がる感情を必死に抑えていれば、舞子が声をかけてくる。
「愛生、お客さん来たよ!」
「あ、うん!」
私は深呼吸を1つしてから、接客に向かった───。