始まりのラピスラズリ


「それで、何の用で来たんだ?」


首を傾げる岩崎先輩に、それまで黙っていた先輩が鍵を手渡す。


「ここの鍵。いつもお前らが最後までやってるから、施錠して職員室に返しに来いってさ」


「あぁ、それで。了解。
届けてくれてサンキューな」


そう言って鍵を受け取ると、岩崎先輩は笑顔で中に戻って行った。


「先輩達、真剣だけど凄く楽しそうですね」


汗を流しながらも全員が笑顔でいて、思わず笑みが零れる。


「あぁ、そうだな」


そう言った先輩は、さっきまでと同じような顔をしていて、また胸が苦しくなった。

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