始まりのラピスラズリ
私、椎名愛生(しいなあおい)は、
入学してから2ヶ月が経とうとしている今日まで、毎日のようにハル先輩に話し掛けていた。
初めの頃はずっと無視されていたから、こうやって会話が出来るようになったのはかなりの進歩である。
と、いうのも、ハル先輩は凄くカッコよくて先輩に近づこうと話し掛けて来るミーハー女子が後を絶たず、無視することで女子を遠ざけているからである。
チョコレート色のサラサラな茶髪に、切れ長なキャラメル色の瞳。そこから伸びる長いまつ毛は女子の私も羨ましくなるほど。
筋の通った鼻と薄い唇が、彼の顔立ちの良さをさらに強調していた。
高い身長と、細いのにちゃんと筋肉がついた体は彼が勉強だけでなく、運動能力にも長けていることを示しているようだ。