始まりのラピスラズリ
教室に入れば、さっきまでの暑さが嘘のような冷たい風が頬を撫でた。
「生き返る…」
クーラーの涼しい風に当たりながら席に着けば、勇人も前の席に座る。
「勇人、そこお前の席じゃないだろ」
「まだ来てないし平気だって。それより、」
そこまで言うと勇人はニヤリと笑う。
「俺ら2人共、夏季大会スタメン出場、おめでとう!」
手を出す勇人に俺も無言で手を出す。
゙パチンッ゙
と、いい音が鳴れば2人で笑い合った。