始まりのラピスラズリ
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「お前ら、気合い入れて行くぞ!!」
「「「おおっ!!」」」
キャプテンの言葉に円陣を組んでいた俺達は力一杯、返事をする。
夏季大会、決勝戦の直前。
県内でも強豪校である俺の学校は準決勝まで大差をつけて勝ってきたが、決勝の相手は同じく強豪校で、どちらが勝ってもおかしくない。
「橘」
プレッシャーを感じていた俺をベンチの先輩達が呼ぶ。
「はい」
先輩達は俺の肩に順番に手を置いた。
「気楽にいけ。そんで、楽しんで来い」
笑顔の先輩達に俺は試合前だというのに涙が出そうになった。