始まりのラピスラズリ
俺達はすぐにボールを反対側のゴールまで運んで行く。
ディフェンスを破るために速いパスで連携をとっていた。
「橘……っ!」
そしてやっと、ディフェンスを振り切った俺にボールが回ってきた。
残り時間は、わずか5秒。
得点は、58対60。
俺が立っている位置は、スリーラインの外側。
勝つためには、ここからシュートを決めて3点を取らなければならない。
俺はボールを受け取り、すぐにジャンプしてそれを放った。
「……っ!?」
その瞬間、右足を激痛が走った。
そして、床に倒れ込むと同時に、試合の終了を知らせるブザーが鳴り響いた───。