始まりのラピスラズリ
手術により半年で俺の足は治ったが、その後すぐに、3年の先輩達は卒業してしまった。
あんなに俺に優しくしてくれたのに…。
あの夏季大会、チームは負けてしまい、先輩達はそのまま引退となってしまった。
『俺のせいで…本当に、すみませんでした』
卒業式に先輩達にそう言えば彼らは、
『あの結果はお前のせいじゃない。
それにお前がいなかったら、あの試合、
あんな接戦を繰り広げることも出来なかった。
お前がいてくれて、本当に良かった。
ありがとう』
と言って、笑顔を見せてくれた。
その言葉に、俺の頬を冷たい粒が次々に伝っていく。
『先輩方……っ、俺の、方こそ、
ほんと…にっ…、本当に…、
ありがとう…、ござい、ましたっ……!』
目から溢れる涙に視界を歪ませながら、俺は先輩達に今までの感謝を伝えたのだった───。