始まりのラピスラズリ


少しでも、先輩の力になりたくて。


私は思わず先輩の手を握ってしまう。


「ハル先輩、教えてくださ────…゙パシンッ゙」


突然、手を振り払われたかと思えば、困惑したような顔の先輩が返してくる。


「お前にっ…、お前に何が分かるんだ!」


「ハル先輩…」


「いつもヘラヘラした笑顔で、悩みなんかないお前にっ、
俺の何が分かるって言うんだ……!?」


「あっ…、ハル先輩!!」


それだけ言うと、先輩は荷物を持って走って出て行ってしまった───。

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