始まりのラピスラズリ

｢いただきます｣


両手を合わせてから、私は割り箸を折る。


当たり前のように先輩の前の席で食べ始めようとする私に、先輩はため息をついた。


｢なんで一緒に食べようとしてるわけ｣


｢先輩と一緒に食べたいから｣


ウインクして言うと、先輩は諦めたようでオムライスを食べ始めた。


私もオムライスを一口、口に入れる。


そして、初めて食べた学食のオムライスのあまりの美味しさに、私は気がついたら先輩へ感動の意を伝えていた。


｢な、なにこれ…、ハル先輩…!
これ、すっごく美味しいです…!!
ここの学食が美味しいのは知ってたけど、このオムライス、今まで食べた中で1番美味しいです!!
卵がフワフワで、下のチキンライスもご飯がパラパラしてて、めっちゃ合ってます!｣


興奮気味にそこまで言うと、先輩は目を丸くしていた。


｢あ……｣


あまりの恥ずかしさに、私は一瞬で顔を赤くする。