始まりのラピスラズリ
勇人先輩って、
少し…、あの人に似てる…。
「ん?どした?」
私の視線に気づいた勇人先輩が首を傾げる。
「あ、いえ、なんでもないです。
…明日、まずは準決勝で勝たないとですね」
「そうだなー。
準決勝は勝てると思うけど、その後の決勝が心配だな。
体力も、持つか分かんないし」
決勝は、準決勝までの試合とは少しルールが変わる。
準決勝までの試合は全て、第2クウォーターまでだが、決勝は第4クウォーターまである。
試合時間が長くなる分、選手達の体力も削れていくのだ。
その時、勇人先輩がポツリと呟いた。
「悠久が出てくれればなぁ……」