始まりのラピスラズリ
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「ハル先輩っ…!」
体育館裏のコンクリートの上に座って体を休めていた俺の元に、笑顔の椎名が顔を出す。
「優勝おめでとうございます!」
決勝の結果は、61対60。
最後に俺がスリーを決めた所で、ブザーが試合の終了を告げた。
「勇人先輩達、ハル先輩のお陰だって抱きついてましたね」
俺の隣に座りながら、椎名が笑顔で言う。
「シュート1本くらいで、大袈裟なんだよ…」
試合後のそれを思い出して照れ隠しで言えば、椎名は柔らかい笑みを浮かべた。