眼鏡をかけるのは、溺愛のサイン。



お弁当も食べ終わり、片野さんの撮ったブレブレの動画に爆笑していて腕時計を見る。

「そろそろ、私戻ります。片野さんはゆっくりされてください」
「まだ休憩時間は終わってないですよ?」

「社長が休憩できたかちょっと見てきます」

 さきほど入っていった崎田さんが戻ってこないので、きっと社長は食事もとられてないと思う。

「そうですか。私もすぐに戻りますね」

にこやかに笑った片野さんは、しっかりと休憩時間は取るらしい。
なのでお言葉に甘えて戻ることにした。


「えー、秘書ってこんなことまでするの。これタイムスケジュール?」

「パソコンの画面を勝手に見るな」
「スリープにしてた派遣の方が悪くない?」

ノックをしようとして手を止める。確かに電源を落として席を立たなかった。
マニュアルには電源は切るように言われていたのに、心配ですぐに戻るつもりで忘れていた。

「ちゃんとした秘書っていつ来るの?」
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