わたしが小説を書くように
 夜、自分の部屋に帰ってから、ひとりで笑顔になった。

 
 手紙には、パソコンのメインアドレスだけを添えた。

 それが、礼儀だと思ったから。


 最初からあまり、いろいろと逸脱してはならない。

 もうルール違反はしていると思うけれど、謙虚なところもアピールしなければいけない。


 焦れながら、メールをスマホ経由で確認していたが、
 思ったより早く、返信はやってきた。


『2号棟5階の畑中研究室に、水曜日四時に来ること』

 
 簡潔すぎて意図はわからなかったが、第一関門はクリアしたわけだ。

 
 
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