わたしが小説を書くように
 これにやられた。

 キュンときてしまった。

 
 動揺しながら、先生のお世話をした。

 先生はわたしのつくったベッドの上で、たちまち眠りこんでしまわれた。

 疲れていらしたんだな、と思う。


 かがんで、横に向けた寝顔を見る。

 幼いころ、美しいと思ったひと。

 面影はそのままに、わたしのこんなに近くにある。


 このひとが欲しい、と震えるように思った。
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