わたしが小説を書くように
 差出人は書いていない。消印は大学の近くだった。


 いぶかりながら封を開けると、一枚の写真。


 若い日の先生と、ご家族……家族?


 きれいな日本型の美人と、そのひとが胸に抱いた赤ん坊。


 ああ。
 そういうことだったのか。
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