わたしが小説を書くように
 先生からの電話を無視する日が続く。

 無視していたわけじゃない。出ると、なにを言ってしまうかわからなかったのだ。


 別れる。

 そのことしか頭に浮かばない。


 わたしが先生のご家族のクサビになってはいけない。

 幼いわたしのような思いを、誰にもさせてはならない。


 電話は、ひたすら泣き続ける。
< 48 / 59 >

この作品をシェア

pagetop