わたしが小説を書くように
 授賞式の日。

 前日は緊張で気持ちが疲れ、かえって深く眠れた。


 会場は、ホテルの宴会場のようなスペース。

 関係者が多数集まり、フラッシュがたかれる。


「久しぶりに、お祭り騒ぎになりそうですね」

 担当の編集者が、そんなことを言う。

「松島さん、お綺麗だから」

 
 お世辞のつもりなのだろうし、嬉しくなかった。

 気持ちを持って行く場所が見つからない。
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