わたしが小説を書くように
 こっそりと、でも急いで、父のものだった部屋に行き、本を手に取る。

 著者近影には、謎めいた表情の青年。

 見るたび、胸がドキドキする。

 この感情に、名前をつけるなら、なにがいいんだろう?

 そうか。

 これが、

 これが、きっと、恋。
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