わたしが小説を書くように
 そのころ、もうわたしは、オリジナルの文章を書き始めていた。

 思春期にさしかかり、自分のなかで荒れ狂うものを、文章にすることでなだめていたのだ。

 そのときは、これで生きていきたいなどと、夢にも思っていなかったけれど。

 先生の存在を知ったことで、わたしは強く思った。

 作家になりたい。

 作家になって、このひとと同じステージに立ちたい。

 そんなふうに。
< 8 / 59 >

この作品をシェア

pagetop